緑茶が前立腺ガンのリスクを軽減する

2005年4月21日 前立腺ガンリスクの高い男性が1年間緑茶カテキンを摂取したところ、ガンのリスクが低くなったという新しい研究のおかげで、緑茶が再び注目されている。


第96回American Association for Cancer Researchの定例会議にて、昨日ある研究が発表された。前立腺ガンのリスクの高い男性が緑茶カテキンを数年間にわたって経口摂取したところ、対照実験では30人中9人であったのに対して、緑茶カテキン摂取の実験では32人中たった1人にしかガンの発症が見られなかったという。


イタリアの研究チームを導いたサヴェリオ・ベットゥッツィ博士は「私たちの実験も含め、多くの初期の実験は、緑茶カテキンあるいは純粋なEGOG(緑茶カテキンの主要成分)がガン細胞の成長を抑制すると、実験室の模型で説明していた。」と述べている。「私たちはカテキンが男性のガンを予防することができかどうかを知るために、臨床実験を行ないたかった。そしてはっきりと実証することが出来た」


研究者たちは、EGCGが良性の細胞を損傷することなく特に死を招く前立腺のガン細胞を標的にすると新たに明らかにした一方で、初期の研究は主として緑茶カテキンの人間への使用が安全であることを主として説明していたと言っている。


そしてさらに彼らは、細胞の消滅あるいは消滅するとされる前立腺の細胞に関わる最も重要な遺伝子群がカテキンの働きの仲介役にふさわしいということも明らかにした。「EGCGは遺伝子群の発現を促しながら、普通の細胞ではなくガン細胞の消滅を促した」とベットゥッツィは言った。


この研究の被験者は、前立腺の上皮細胞中の腫瘍形成の程度が高い、すなわち1年以内に前癌性の病巣に前立腺ガンの兆候が見られ、ほとんど三段階の症例で何の治療もなされていない40〜75歳の男性である。


62人のボランティアのうち、32人が1日3錠、200mgの緑茶カテキンを摂取し、残りの人々はプラセボを与えられた。研究者たちは、生検材料の追跡調査を6ヶ月後と12ヶ月後に実行した。1日600mgの緑茶カテキンを摂取している中からは1人だけ、一方治療されていないグループからは9人の前立腺ガン患者が診断された。管理下での30%の発生率は以前の発見と矛盾はなく、目立った副作用も全くなかった。


1日600mgのカフェインフリーの投薬量、すなわちその研究の被験者に与えられた全てのカテキン(そのうち50%はEGCG)の量は、中国で毎日消費されている通常1日あたり10〜20の緑茶の量の1〜2倍であると科学者は言った。


ベットゥッツィは、年配者やアフリカ系アメリカ人、または前立腺ガンの病歴がある家族を持つ人などのように、前立腺ガンのリスクが高い男性たちにとって、緑茶カテキンが前立腺ガンの予防に利用可能であると示して話を結んでいる。

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